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再就職する人で給与が下がる人がもらえる「就業促進定着手当」とは

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国内の転職率は、年々上昇傾向にあります。よりよい給与を求めた再就職が増える一方で、ライフスタイルの変化にあわせて労働環境を変えざるを得ない人もいます。転職によって収入が減った人を支援するため、ハローワークでは就職促進給付を行っています。

就業促進定着手当は、新しい職場に再就職した人が、離職前より低い賃金で就労する場合に支給されます。

今回は就業促進定着手当の概要や支給額、申請方法についてまとめました。

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この記事の目次

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就業促進定着手当とは

就業促進定着手当は、雇用保険の失業等給付の就職促進給付のうち、「就業促進手当」のひとつです。「再就職手当」、「就業手当」などと同様に、失業や再就職に伴って収入が減少した場合に補助が受けられます。

就業促進定着手当は、再就職先に6か月以上雇用される人が受け取れる支援です。支給額は1日分の賃金を基準に計算されます。ただし、6か月以内に再就職先の雇用保険の被雇用資格を喪失した場合には、受給の対象外です。

就業促進定着手当の支給対象者

就業促進定着手当の支給対象者には、3つの要件があります。再就職手当を受け取っていることもそのひとつです。再就職手当の概要もあわせて見ていきましょう。

支給対象者の要件

支給対象者の要件は、以下のとおりです。

再就職手当を受給している
再就職手当の支給を受けた被から、6カ月以上同じ事業主の被雇用保険者になっている
再就職後、6カ月間の賃金の1日分が、離職前の賃金日額を下回る

なお被雇用保険者資格は、事業主の都合による出向等で喪失した場合でも受給の対象外となります。また、離職前の賃金日額が下限額の場合も受給の対象外です。

再就職手当とは

再就職手当は、基本手当の受給資格がある人が新たに雇用保険の被保険者となった場合などに、就職日の前日までの日数が所定給付日数の1/3以上ある場合に支給されます。

基本手当の支給残日数を所定給付日数の1/3以上残して転職した場合は60%、2/3以上を残して再就職した場合は70%が支給額です。

所定給付日数は90日から360日まで設定されていますが、早く就職したほうが、再就職手当の額が上がる仕組みになっています。

主な支給要件

再就職手当受給のための主な要件は、以下のとおりです。

主な要件
①受給手続き後、7日間の待期期間を経て就職した
②基本手当の支給残日数が、所定給付日数の1/3以上ある
③離職した前の事業所に再び就職したものでない
④再就職先に1年以上勤務する
⑤過去3年以内に再就職手当や常用就職支度手当の支給を受けたことがない
⑥受給資格決定前から採用が内定していた会社に雇用されたものでない

支給額

再就職手当受給の支給額は、以下のとおりです。

【基本手当日額×所定給付日数の支給残数×60%または70%】

基本手当の日額は「費用保険受給資格者証」に記載されています。
上限は以下のとおりです。

■離職時の年齢が60歳未満
6,395円

■離職時の年齢が60歳から65歳未満
5,170円

なお、基本手当の日額就業促進定着手当の支給額等の計算に用いられる基本手当の日額にも、この上限が適用されます。

就業促進定着手当の支給金額

就業促進定着手当の支給額は、離職前の賃金日額を基準として計算します。ここでは支給額の計算方法と、具体的な支給額の計算例を見ていきましょう。

支給金額の計算方法

支給額の計算式は、以下のとおりです。

【(離職前の賃金日額-転職後6カ月間の賃金日) ×転職後6カ月の賃金の支払基礎日数】

ただし離職前の賃金日額には、離職時の年齢によって、以下のように上限額が定められています。

■離職時の年齢が30歳未満
14,130円

■離職時の年齢が30歳以上45歳未満
15,690円

■離職時の年齢が45歳以上60歳未満
17,270円

■離職時の年齢が60歳以上65歳未満
16,490円

なお、下限額は以下のとおりです。

■下限額
全年齢
2,869円

参考:雇用保険の基本手当日額が変更になります~令和6年8月1日から~

支給上限額

支給の上限額は、以下の計算式で求められます。

【基本手当日額×基本手当の支給残日数に相当する日数×40%】

また、再就職手当の給付率が70%の場合は「基本手当日額×基本手当の支給残日数に相当する日数×30%」となります。

「再就職後6カ月間の賃金の1日分の額」の算出方法

支給額の算出に使う「再就職後6カ月間の賃金の1日分の額」は、「月給」と「日給・時給」で違います。それぞれの算出方法は、以下のとおりです。

■月給
再就職後6か月間の賃金の合計額÷180

■日給・時給
次のうち、どちらかの金額の高い方

①再就職後6か月間の賃金の合計額÷180
②(再就職後6か月間の賃金の合計額÷賃金支払いの基礎となった日数) ×70%

支給額の試算

それでは、実際に受け取れる金額を試算してみましょう。条件は以下の通りです。

■離職時の年齢
36歳

■離職前の給与
30万円 (賃金日額1万円)

■再就職後の給与
21万円 (賃金日額7千円)

■支払基礎日数
30日

■基本手当の支給残日数
64日 (2/3以上・再就職手当の給付率70%)

■基本手当の日額
5,971円

支給額計算式
【(1万円-7千円) ×180日=54万円】

さらに上限額は、以下のように計算されます。
【5,971円×64日×40%=15万2,857円】

したがって、この場合の支給額は上限額の15万2,857円です。

就業促進定着手当の申請方法

就業促進定着手当の申請は、ハローワークで行います。必要な書類を窓口に持参するか、郵送にて提出してください。
以下に、申請の期限と必要な書類をまとめました。

申請の期限

再就職した日から6カ月が経過した日の、翌日から2カ月以内

申請に必要な書類

申請に必要な書類は以下の4つです。

①就業促進定着手当支給申請書
②雇用保険受給資格者証
③就職日から6カ月間の出勤簿の写し
④就職日から6カ月間の給与明細または賃金台帳の写し

まとめ

2022年、マイナビの調査では、再就職によって年収が上がった人は4割近くを占めました。いっぽうで、年収が下がった人も18.6%と、決して少なくありません。

出典:マイナビ転職動向調査2023年版(2022年実績)

転職では労働環境や働き方の変化もメリットのひとつですが、年収の変化はライフスタイルにも大きく影響します。特に最初の数か月間は心身ともに負担となるケースも多く、今後のスキルや年収アップに向けた土台作りが順調に進まないケースもあるでしょう。

そんな時は再就職後の収入の補助として、就業促進定着手当を活用してください。労働者の生活基盤が安定することは、企業にとっても利益のあることです。

社会全体の経済活性化と働く人の環境改善を両立させる支援を、ぜひ、上手に活用してください。

参考:就職促進給付 - ハローワークインターネットサービス

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