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最大1億円で物流2024年問題に対応する設備導入を支援!「令和5年度物流生産性向上推進事業」を解説

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物流生産性向上推進事業は、物流2024年問題に対応するための事業で、物流革新を実現して、スムーズな輸送体制を維持することを目的としています。この事業には「物流生産性向上実装事業」と「物流生産性向上設備・機器等導入事業」の2つがあり、それぞ対象経費や補助率が異なります。本記事では、各事業の概要や必要な申請書類などについて説明していきます。

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この記事の目次

物流生産性向上推進事業とは

2024年4月からトラックドライバーへの時間外労働の上限規制と労働基準の改善が導入され、ドライバー不足と労働時間の制限により輸送能力が低下することが懸念されています。これが、「物流2024年問題」です。
参考:公益社団法人全日本トラック協会

この問題を放置すれば、ドライバーに負担がかかり、消費者にとっても購入品の迅速な配送が難しくなる恐れがあります。このような状況は、日本全体の物流効率に影響を及ぼす可能性があります。

本事業では、物流革新を実現して上記の問題を解決するために、産地・卸売市場・食品流通業者等(以下、間接補助事業者)による物流の標準化やデジタル化、データ連携、モーダルシフト、ラストワンマイル配送等の取り組み実施、物流効率化・コールドチェーンの確保等に必要な設備導入を支援します。

どんな事業が補助される?物流生産性向上推進事業の対象事業は?

物流生産性向上推進事業は、物流革新の実現に向けて以下に該当する事業を行う際の経費の一部を補助します。2種類の事業に分かれるため、自社がどちらに該当するかをチェックしてみてください。具体的に「どのような機器が対象なのか?」「どんな取り組みをすれば良いのか?」などを理解しましょう。

1.物流生産性向上実装事業
①青果物流通標準化ガイドラインや花き流通標準化ガイドラインなど、政府あるいは業界が定めるガイドラインで推奨している標準仕様のパレットの導入(レンタルを原則とする)

②貨物自動車による陸上輸送から鉄道あるいは海上輸送への転換(モーダルシフト)

③パレットや外装、コード等の物流標準化、納品伝票の電子化、トラック予約システム等のデジタル化・データ連携、ラストワンマイル物流の確保等、流通合理化につながる取り組みであり、他の地域あるいは他品目のモデルとなる先進的な実証

④パレットや外装、コード等の物流標準化、納品伝票の電子化、トラック予約システム等のデジタル化・データ連携、ラストワンマイル物流の確保等、流通合理化につながる取り組みであり、これまでに効果が確認されている施策の当該地域や品目での導入に向けた試験

⑤上記事業の実施に向けた事前調査や関係者の意見調整、計画策定、効果検証
2.物流生産性向上設備・機器等導入事業
①パレタイザーやフォークリフト、クランプフォークリフト、無人搬送機、ラベル貼機、リーファーコンテナ、冷凍・冷蔵設備、冷凍・冷蔵車、移動販売車等、物流の合理化・効率化やコールドチェーン確保につながる設備や機器の導入

②納品伝票の電子化システムやトラック予約システム、共同輸配送システム、パレット循環管理システム等、物流の合理化・効率化につながるシステムの導入

③上記の設備や機器等を導入した際の効果検証

対象となる間接事業者の要件

間接事業者は以下いずれかに該当する必要があります。

  • 中央卸売市場あるいは地方卸売市場の関係事業者で構成する団体
  • 食品卸団体
  • 食品小売団体
  • 食品流通業者と企業組合や事業協同組合、協同組合連合会、卸売市場の開設者、運送事業者、貨物利用運送事業者等によって構成されている協議会

さらに、以下の要件を「すべて」満たしていることが必要です。

①生鮮食料品等の流通合理化あるいはラストワンマイル物流の確保を推進する意思、および具体的な計画を持っている
②適切な管理体制および処理能力を持っている団体で、かつ代表者の定めがある
③規約や組織規程、経理規程等の組織運営に関する規約がある
④食品等の流通合理化および取引適正化に関する法律第5条第1項に基づく「食品等流通合理化計画」の認定を受けている、あるいは認定を受ける見込みがある
⑤実施要領 第6の2項の目標を満たした事業計画を設定している
⑥補助事業による成果について、その利用を制限せず、公益の利用に供することを認める
⑦日本に所在し、間接補助事業および補助金の適正な執行に関して責任を負える団体である
⑧法人等の役員等が暴力団員ではない

補助対象経費および対象外経費

補助対象経費は「物流生産性向上実装事業」「物流生産性向上設備・機器等導入事業」で異なるため入念にチェックしておきましょう。いずれの場合も、「本事業に直接必要である」「本事業の対象として明確に区分できる」ということが条件です。

1.物流生産性向上実装事業

対象経費の種類 詳細
事業費 ①パレット導入費
標準仕様のパレット導入にかかる経費およびそれに伴う現有パレットの処分経費

②モーダルシフトに要する経費
モーダルシフトに伴って発生する増加分の運行経費

③会場借料・設営費会議等を開催する場合の会場借料や設営に係る経費

④通信・運搬費
通信や郵便、運送に係る経費

⑤設備・機器等借上費
事務機器や試験機器等の借り上げに係る経費

⑥印刷製本費
資料等の印刷に係る経費

⑦広告・宣伝・情報発信費
ポスター・チラシ等の作成や配布、広告掲載、その他の情報発信等に係る経費

⑧資料購入費
図書および参考文献の購入に係る経費

⑨システム等開発費
システム等の開発に係る経費

⑩各種認証等の取得に要する経費

⑪消耗品費
以下に該当する物品の経費
・短期間(本事業の実施期間内)あるいは一度の使用によって消費され、効用を失う少額物品
・CD-ROM等の少額(5万円未満)の記録媒体
・試験等に用いる少額(5万円未満)の器具等
旅費 調査旅費:資料収集や各種調査、打ち合わせ等の実施に係る経費
人件費 本事業に直接従事する正職員・出向者・嘱託職員・管理者等の、直接作業時間に対する給料、その他手当の経費
謝金 資料整理や補助、専門知識の提供、調査資料の収集等にあたり、協力者への謝礼に係る経費
委託費 事業の交付目的である事業の一部分を、他の者へ委託する際の経費
役務費 事業実施に直接必要であり、かつ、それだけでは本事業の成果として成り立たない分析や調査、試験、設計、加工、運搬等に係る経費
雑役務費 手数料、印紙代

2.物流生産性向上設備・機器等導入事業

対象経費の種類 詳細
事業費 ①設備・機器等導入費
設備や機器等の購入およびリース導入にかかる経費。(パレタイザーやフォークリフト、クランプフォークリフト、無人搬送機、ラベル貼機、リーファーコンテナ、冷凍・冷蔵設備、冷凍・冷蔵車、移動販売車等の集荷、保管、輸送、運搬、加工、販売に係るものに限る)

ただし、コンピュータやタブレット、トラック等、その他の用途に使用可能な汎用性の高いものは除く。

②配送やパレット管理等のシステム導入に要する経費
納品伝票の電子化やトラック予約受付、共同輸配送、パレット管理等のシステム導入に必要な経費(共用サーバーの登録を含む)

③事業実施および効果検証等に要する経費
本事業を実施し、その効果検証に必要な専門家等への調査依頼等に必要な経費

補助対象経費は、実施要領に準じた費目や細目を満たす内容であることが求められます。対象の機器等を中古で購入あるいはリースでの導入することは原則不可ですが、「実施期間内に事業完了できないが中古を導入する場合は実施期間内に事業を完了できる」という場合に限り、それを証明する書類を提出できれば中古の導入が認められます。対象機器等は、導入時点で「法定耐用年数を1/2以上経過していないもの」に限られます。

また、本事業のすべて、あるいは一部を再委託する場合、「委託して行わせる範囲は事業費の1/2未満」であることが必要です。また、以下の事項を事業計画に記載してください。
①委託先が決定している場合は、委託先
②委託事業の内容およびそれに要する経費

【補助対象外経費】
以下の経費は、対象外です。

・建物等施設の建設および不動産取得に関する経費
・本事業の期間中に発生した事故あるいは災害処理のための経費
・補助金交付決定前に発生した経費
・補助対象経費に係る消費税および地方消費税に係る仕入れ控除税額
・その他、本事業の実施に必要と認められない経費および本事業の実施に使った経費であると証明できない経費
・補助対象外経費として、令和5年度物流生産性向上推進事業実施規程で定めるもの

本事業の経費については、補助対象になるもの・ならないものの規定だけでなく、再委託時の必要事項等も記載されています。経費項目は細かくチェックしておきましょう。

物流生産性向上推進事業の補助率

補助率等は「物流生産性向上実装事業」「物流生産性向上設備・機器等導入事業」で異なります。

事業名 補助率 補助金の上限額
1.物流生産性向上実装事業 定額 1間接事業者あたり3,000万円
2.物流生産性向上設備・機器等導入事業 1/2以内 1間接事業者あたり1億円

※2.物流生産性向上設備・機器等導入事業について
「①間接事業者が直接行う取り組みは1億円」「②間接事業者の構成員が個別に行う取り組みは1構成員あたり3,000万円」を上限とし、①②の取り組みを組み合わせた事業であっても、合計で1億円を上限とします。

補助金額は、補助対象経費等の精査により減額するケースもあるためご注意ください。

物流生産性向上推進事業公募期間・必要書類

【公募期間】
令和6(2024)年4月9日(火)〜6月28日(金)

【必要書類】
申請時は以下の書類(以下、課題提案書等)を提出してください。

事業に係る課題提案書
提案内容には、趣旨や事業内容、補助対象経費の範囲として適切であるものとし、以下の書類を添付してください。
①課題提案書(応募者に関する事項)
②事業計画書(取り組み内容に関する事項)
③経費内訳(補助事業等の実施に必要なすべての経費の額を記載した内訳書)
応募者の概要がわかる資料(パンフレット等)
①定款や直近の決算(事業)報告書、その他必要に応じ財務状況に関する資料
②応募者が法人格を持たない団体の場合、当該団体の概要。ただし①の資料がない場合は、これらに相当する資料を提出

課題提案書の提出にあたっては、いくつかの点に注意が必要です。まず、提案書は指定された様式に従って正確に作成する必要があります。一度提出された提案書は変更が認められないため、提出前に内容の確認を徹底してください。また、提案書に虚偽の記載があると審査の対象外となります。

提案書の提出は、原則として指定されたメールアドレスへ電子メールで行います。各添付ファイルは「1メールあたり7メガバイト以下」に設定してください。複数メールに分けて送信する場合は、件名に「令和5年度 物流生産性向上推進事業実(申請者名)・その〇(連番)」と記載して整理しやすくしましょう。

トラブル防止のため、メール送付後に必ず「03-5809-2176」へ電話をしてください。やむを得ない場合は、以下に郵送や持参も可能ですがファックスは受け付けません。

〒101-0032
東京都千代田区岩本町3-4-5
第1東ビル6階
公益財団法人食品等流通合理化促進機構 業務部
郵送を利用する場合は、簡易書留や特定記録など、配達証明が可能な方法を選び、期限内に到着するよう余裕を持って送付してください。

「メール後に電話をかける」「記録が残る方法で郵送する」など提出時の決まりがあるため、入念にチェックしておきましょう。

まとめ

「物流2024年問題」は、今後日本社会に深刻な影響を与える可能性があります。人材不足や労働時間規制の強化により、輸送能力が大幅に低下し、商品の迅速な配送が困難になることが懸念されます。

この問題を解決するためには、今回ご紹介した「物流生産性向上推進事業」のような支援策の活用が重要です。同事業を活用することで、物流現場における自動化や効率化を推進し、人手不足の解消と労働時間の適正化を実現することが可能となります。

関係者一丸となって物流2024年問題を克服し、産地から食卓まで繋がる安心・安全な物流網を構築しましょう。

参考:食流機構 間接補助事業者の公募について(公示)

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