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リスキリングで使える補助金・個人向け制度も紹介

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時代の変化に対応し、キャリアの再構築を目指す"リスキリング"。この動きは、個人のスキルアップだけでなく、企業の人材戦略にも欠かせない要素となっています。本記事では、リスキリングの基本から、事業者や個人が利用できる補助金や制度について解説します。時代に即したスキルを身につけ、将来のキャリアを充実させるための一歩を、ここから始めましょう。

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この記事の目次

リスキリングとは

リスキリングとは、従業員が持つスキルや知識をアップデートし、新しい業務に対応できるようにすることを指します。従業員のスキルには、経験や知識、技術などが含まれますが、これらは時代とともに変化していくものです。

企業が業務改革を行い、新しい技術や業務に取り組む場合、従業員のスキルも新しい環境に適応できるように、リスキリングが必要になってきます。例えば、デジタル技術が普及してきた現代では、デジタル技術に精通している人材が求められます。企業は、既存の従業員に対してデジタル技術のトレーニングやスキルアップの支援を行い、新しい業務に対応できるようにすることが必要となってきます。

また、リスキリングは、従業員のキャリアアップややりがいの向上にもつながります。従業員は、自分自身のスキルアップに努めることで、自己実現を感じ、仕事に取り組むモチベーションが高まると同時に、企業にとっても、スキルアップした従業員が生み出す新しいアイデアやビジネスモデルが、企業の成長や発展につながることがあります。

リスキリングは、現代のビジネスにおいて重要な課題のひとつです。企業は、従業員のスキルアップに注力することで、企業の競争力や生産性の向上につながるとともに、社員の働きやすさやキャリアアップの可能性を広げることができます。

現在ではAIの発達やDX化の推進などにより、働き方が大きく変化しています。例えば「単純作業のロボット化」「社内システムの一括管理」などが促進されることで、今まで人力で行っていた仕事が不要となり、新たな業務に取り組む必要性が出てくるでしょう。実際、2020年のダボス会議においても「2030年までに10億人をリスキリングする」という宣言が出されました。

経済産業省が「第四次産業革命スキル習得講座認定制度」を立ち上げたり、厚生労働省も「教育訓練給付制度(専門実践教育訓練)」と連携した助成金の仕組みを策定したりなど、新たなスキルの獲得に向けて動く事業主を積極的に支援する動きを見せています。

参考:一般社団法人日本能率協会

リスキリングとリカレントの違い

リスキリングとリカレントは、両者とも従業員のスキルアップに関する用語ですが、異なる意味を持ちます。

リスキリングは、従業員が持つスキルや知識をアップデートし、新しい業務に対応できるようにすることを指します。つまり、従業員が企業の業務改革に対応できるよう、新しいスキルや知識を習得することを目的としています。

一方、リカレントは、現在の仕事に必要なスキルを維持・向上させることを指します。従業員がすでに持っているスキルを、より深めたり、最新の情報や技術を取り入れたりすることで、現在の仕事に対応できるようにすることを目的としています。

つまり、リスキリングは、従業員が新しい業務に対応するために必要なスキルアップを図ることを目的としており、一方のリカレントは、従業員が現在の業務に対してより高いスキルを持つことを目的としています。

両者は、従業員のスキルアップに関する異なる目的を持っているため、取り組み方や研修内容も異なることがあります。企業が従業員のスキルアップに取り組む場合には、目的に合わせてリスキリングやリカレントの取り組みを行い、従業員のスキルアップを促進していくことが大切です。

事業者向けリスキリングに使える補助金・助成金

事業者向けのリスキリングに使える支援制度として、「人材開発支援助成金」をご紹介します。人材開発支援助成金は、事業主が従業員に専門的な知識や技能を教える職業訓練を行った際に助成する制度で、訓練に必要な経費や訓練期間中の従業員の賃金の一部をカバーします。事業者が、職務に関連した訓練を計画に基づいて実施することで、この助成を受けることができます。

人材開発支援助成金のコースは以下の7種です。

コース名 訓練等の内容
1.人材育成支援コース 職務に関連した知識・技能を習得させるための訓練や正規雇用労働者等に転換等をするための訓練を実施する
2.教育訓練休暇等付与コース 有給の教育訓練休暇制度を導入し、労働者が当該休暇を取得して訓練を受ける
3.建設労働者認定訓練コース 認定訓練を実施または雇用する建設労働者に有給で受講させる
4.建設労働者技能実習コース 雇用する建設労働者に有給で技能の向上のための実習を受講させる
5.障害者職業能力開発コース 障害者に対して職業能力開発訓練事業を実施する
6.人への投資促進コース デジタルなど成長分野を支える人材の育成を目的とした訓練等を実施する
7.事業展開等リスキリング支援コース 事業展開等に伴い新たな分野で必要となる知識や技能を習得させるための訓練等を実施する

このように、本助成金には複数のコースがありますが、ここでは、「人材育成支援コース」「教育訓練休暇等付与コース」「人への投資促進コース」「事業展開等リスキリング支援コース」についてご紹介します。

人材開発支援助成金「人材育成支援コース」

人材育成支援コースは、事業主が従業員への以下のような訓練を行った際に助成します。

①10時間以上の職場外研修(OFF-JT)
②中核人材を育てるために実施する職場内研修(OJT)と職場外研修(OFF-JT)を組み合わせた6か月以上の訓練
③有期契約労働者等の正社員転換を目的として実施する職場内研修(OJT)と職場外研修(OFF-JT)を組み合わせた2か月以上の訓練

助成内容

人材育成支援コースの助成内容は以下のとおりです。
※<>内は、訓練後に従業員の月給が5%以上増加した場合や、訓練修了者に対して資格等手当を支払い、その結果賃金が3%以上増加した場合に適用される加算額

【賃金助成】
1人1時間あたり760円<200円>(中小企業以外380円<100円>)
【経費助成】
上記①~③の取り組み内容によって異なる
①の場合
・正規雇用労働者:実費相当額の45%<15%>(中小企業以外30%<15%>)
・非正規雇用労働者:実費相当額の60%<15%>
・正社員化した場合:実費相当額の70%<30%>

②の場合:実費相当額の45%<15%>(中小企業以外30%<15%>)

③の場合
・非正規雇用労働者:実費相当額の60%<15%>
・正社員化した場合:実費相当額の70%<30%>
【OJT実施(定額)助成】
②の場合
1人1訓練あたり20万円<5万円>(中小企業以外11万円<3万円>)

③の場合
1人1訓練あたり10万円<3万円>(中小企業以外9万円<3万円>)

人材開発支援助成金「教育訓練休暇等付与コース」

教育訓練休暇等付与コースでは、有給の教育訓練休暇制度を導入し、労働者が当該休暇を取得して訓練を受けた場合に助成します。

助成内容

【定額助成】 30万円<6万円>

人材開発支援助成金「人への投資促進コース」

人への投資促進コースは、事業主が従業員への以下のような訓練を行った際に助成します。

①(1)高度デジタル人材の育成のための訓練や
(2)大学院での訓練
②OFF-JT+OJTを組み合わせた6か月以上の訓練 (IT分野関連の訓練)
③定額制訓練(サブスクリプション型の研修サービス)による訓練
④労働者の自発的な訓練費用を事業主が負担する訓練
⑤長期教育訓練休暇等制度の導入等

助成内容

取り組み内容によって、助成額は異なります。

①の場合
【経費助成】
(1)実費相当額の75%〔中小企業以外60%〕
(2)実費相当額の75%
【賃金助成】
(1)1人1時間あたり960円〔中小企業以外480円〕
(2)1人1時間あたり960円(国内の大学院での訓練のみ対象)
②の場合
【経費助成】
実費相当額の60%<15%>(中小企業以外45%<15%>)
【賃金助成】
1人1時間あたり760円<200円>(中小企業以外380円<100円>)
【OJT実施(定額)助成】
1人1訓練あたり20万円<5万円>(中小企業以外11万円<3万円>)
③、④の場合
③【経費助成】
実費相当額の60%<15%>(中小企業以外45%<15%>)

④【経費助成】
実費相当額の45%<15%>
⑤の場合
【制度導入助成】20万円<4万円>
【賃金助成】1日あたり6,000円<1,200円>(有給の休暇を取得させた場合のみ対象)

人材開発支援助成金「事業展開等リスキリング支援コース」

事業展開等リスキリング支援コースでは、事業展開等に伴い新たな分野で必要となる知識や技能を習得させるための訓練を実施した場合に助成します。

助成内容

【経費助成】実費相当額の75%(中小企業以外60%)
【賃金助成】1人1時間あたり960円(中小企業以外480円)

東京都のDXリスキリング助成金

事業者向けリスキリングに使える助成金として、東京都のDXリスキリング助成金も紹介します。

DXリスキリング助成金は、都内中小企業等がデジタルトランスフォーメーションに関する職業訓練を行う際の経費の一部を助成する制度です。対象となる訓練は、DXに関する専門的な知識や技能の習得、資格取得を目的とした、集合訓練やeラーニング等を利用して実施されるものです。助成率は助成対象経費の2/3、企業あたりの上限額は64万円とされています。本助成金は、デジタル技術を活用して業務の効率化やサービスの向上を目指す企業、デジタルスキルを身につけたい従業員がいる企業に適しています。

DXリスキリング助成金で受講料支援!最大64万円まで【東京都】

個人向けリスキリングに使える補助金・助成金

次に、個人向けリスキリングに使える支援制度についてみていきます。厚生労働省では、キャリアアップ・キャリアチェンジを目指す労働者を対象に、教育訓練給付制度を行っています。

【教育訓練給付とは?】
この制度では、労働者が自主的にスキルアップを目指し、厚生労働大臣によって指定された教育訓練を受け、修了すると、その費用の一部が支給されます。教育訓練はレベルに応じて3つの種類があり、各種類で給付率が異なります。

約15,000講座が対象の教育訓練として認定されており、これらの講座は、教育訓練給付制度の検索システムで詳細を調べることができます。また、オンラインで受講可能な講座や、夜間や週末に受講できる講座も含まれており、仕事を続けながらスキルアップを目指すことが可能です。

教育訓練給付「専門実践教育訓練」

専門実践教育訓練は、受講費用の最大70%(年間上限56万円)が受講者に支給される訓練です。

対象講座には、業務独占資格の取得を目指す講座(例:介護福祉士、看護師、美容師など)、デジタル関連講座(例:IT資格取得講座、第四次産業革命スキル習得講座)、大学院・大学・短期大学・高等専門学校の課程(例:MBA、法科大学院、職業実践力育成プログラム)、専門学校の課程(例:職業実践専門課程、キャリア形成促進プログラム)などがあります。

教育訓練給付「特定一般教育訓練」

特定一般教育訓練は、受講費用の40%(上限20万円)が受講者に支給される訓練です。

この訓練は、業務独占資格の取得を目指す講座(例:介護支援専門員実務研修、特定行為研修など)や、デジタル関連の講座(例:IT資格取得講座)を対象としています。

教育訓練給付「一般教育訓練」

一般教育訓練は、受講費用の20%(上限10万円)が支給される訓練です。

対象講座には、資格取得を目指す講座(例:輸送・機械運転関係、介護福祉士実務者養成研修、税理士、社会保険労務士、Webクリエイターなど)や、大学院などの学位取得を目標とする課程が含まれます。

教育訓練給付を受けるための条件

教育訓練給付を受けるには、雇用保険の加入期間などの条件があります。例えば、雇用保険に加入していること、在職中または離職してから1年以内であることが必要です。また、特定の条件(例:妊娠、出産、育児、疾病など)で適用対象期間が延長される場合は、最大20年以内でも受給できます。専門実践教育訓練を受講する場合、雇用保険の加入期間は2年以上が必要です。前回の教育訓練給付受給から3年以上経過していることも条件の一つです。

詳しくは、下の図を参照してください。

出典:教育訓練給付制度のご案内

個人向けリスキリングの申請手順

最後に、給付の手続きについて、確認しましょう。専門実践教育訓練と特定一般教育訓練は、まず、訓練を始める前にキャリアコンサルティングを受ける必要があります。受給資格の確認は、受講開始日の1か月前までに、居住地を管轄するハローワークで行います。

講座の受講と修了後、修了日の翌日から1か月以内に、同じく居住地を管轄するハローワークで支給申請を行う必要があります。この手続きは、一般教育訓練も同じです。給付条件や手続きの詳しい内容は、お住まいを管轄するハローワークにお問い合わせください。

まとめ

リスキリングは、変化する社会に適応し、新たなチャンスを掴むための重要なステップです。本記事では、事業者や個人が利用できる助成金や支援制度をご紹介しました。自身のスキルを磨くことは、今後のキャリアにおいて大きな価値を持ちます。これらの情報を活用し、自己成長の機会を見つけ、自分自身や組織の将来を豊かにすることができるでしょう。

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