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戸建て新築に使える補助金!次世代ZEH+実証事業とは?

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政府は、2020年10月に2030年までに再生可能エネルギーの割合を4割弱に、2050年までにカーボンニュートラル(CO2排出量実質ゼロ)の実現を目指すと発表しています。

そこで、日本の電力消費のうち約3割を占める家庭部門において、省エネ・環境政策の実現を目指すために導入を促進しているのがZEH(ゼッチ)です。

ZEH・ZEH+(ゼッチプラス)自体、断熱性に優れた外皮や再生可能エネルギーを活用することで、省エネ化を実現するものですが、次世代ZEH+は、これらに加えてV2H充電設備(充放電設備)などを導入することで、自家消費拡大とさらなる省エネ化を図ります。

この記事では、「次世代ZEH+」にて利用できる補助金について、その概要と申請方法について解説します。

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この記事の目次

「次世代ZEH+」は高性能な住宅!

ZEH(ゼッチ)・ZEH+(ゼッチプラス)では、断熱性の向上や高効率な設備による省エネ性能の向上と再生可能エネルギーを使い、エネルギー消費量を抑えることで省エネ化を図ります。

一方、次世代ZEH+は、ZEH+の要件を満たした上でさらにV2H充電設備(充放電設備)や燃料電池などを導入して、省エネ化と再生可能エネルギーの自家消費のさらなる拡大を目指す住宅です。

ZEH・ZEH+とも、省エネ性能に優れていますが、次世代ZEH+では再生可能エネルギーの自家消費を強化して、さらにCO2排出量を抑えられる点で優れています。

次世代ZEH+(注文住宅)実証事業とは

次世代ZEH+実証事業とは、正式名称を「令和4年度 住宅・建築物需給一体型等省エネルギー投資促進事業費補助金(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス実証事業)のうち次世代ZEH+(注文住宅)実証事業」といい、略称は「令和4年度 次世代ZEH+(注文住宅)実証事業」が使われます。

わかりやすく書くと、ZEHと比べてさらに高性能な省エネ性能を求めたZEH+に、さらに再生可能エネルギーの要件を加えることで、省エネ性能に再生可能エネルギーの活用機能を強化した住宅です。

ここでは、次世代ZEH+実証事業で補助対象になる事業者・補助対象住宅について詳細を解説します。

補助対象事業者

「次世代ZEH+(注文住宅)実証事業」で補助対象となる事業者は、新築戸建住宅の建築主(個人)です。法人は対象となりません。また、「暴力団排除に関する誓約事項」に記載された事項に該当する場合、交付対象外となるので注意が必要です。

補助対象住宅

補助対象になる住宅とは、下記4つの条件すべてを満たすものに限ります。

  • 申請者が常時居住している住宅であること(事業完了後も、住民票等による確認を求める場合があります)。
  • 専用住宅であること。
    ※店舗など兼用住宅の場合、住居部分が「補助対象範囲および設備等の要件一覧」の要件を満たしている場合は申請できます。
  • 賃貸住宅・集合住宅でないこと。
    ※ただし、所有する上記の一部に申請者が居住し、かつ公募要件を満たす場合は、その自宅部分を申請可能です。
    ※なお、「超高層ZEH-M実証事業」など、マンションに関するZEH補助金との併願はできません。
  • 次世代ZEH+の要件を満たしていること。
    ※住宅の敷地が「土砂災害特別警戒区域」(「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」第9条第1項の規定に基づく)に掛かっている場合は、原則として補助対象外です。

次世代ZEH+(注文住宅)実証事業の要件

ここでは、ZEH+の基準を満たし、補助金が交付されるための要件について解説します。

【ZEH+に係る要件】
ZEH+では、まずZEHロードマップで定めた「ZEH」の定義を満たしていることが必要です。ZEHの定義は、下記のとおりとなります。

【ZEHの定義】
(1)強化外皮基準(UA値)を地域区分ごとに、下記以下にすること。
▶1・2地域:0.4
▶3地域:0.5
▶4~7地域:0.6
※強化外皮基準(UA値)とは断熱性能を表す数値です。低いほど断熱性能が高くなります。

(2)再生可能エネルギー等を除き、基準一次エネルギー消費量から20%以上の一次エネルギー消費量削減を行うこと。

(3)再生可能エネルギーを導入すること(容量不問)。

(4)再生可能エネルギー等を加えて、基準一次エネルギー消費量から100%以上の一次エネルギー消費量削減を行うこと。
寒冷地・低日射地域・多雪地域では、「Nearly ZEH」が適用され、その要件は下記のとおりです。
【Nearly ZEHの定義】
(1)強化外皮基準(UA値)を地域区分ごとに、下記以下にすること。
▶1、2地域:0.4
▶3地域:0.5
▶4~7地域:0.6

(2)再生可能エネルギー等を除き、基準一次エネルギー消費量から20%以上の一次エネルギー消費量削減を行うこと。

(3)再生可能エネルギーを導入すること(容量不問)。

(4)再生可能エネルギー等を加えて、基準一次エネルギー消費量から75%以上100%未満の一次エネルギー消費量削減を行うこと。

これに加えて、下記の2つを満たしていることが、ZEH+の要件として求められます。
【ZEH+の要件】
1.さらなる省エネルギー実現させること(省エネ基準から25%以上の一次エネルギー消費量削減)。
2.以下に掲げる再生可能エネルギーの自家消費拡大措置から、2つ以上を導入すること。(※ZEH+の選択要件)
(1)外皮性能のさらなる強化
(2)高度エネルギーマネジメント(高度HEMS)
(3)電気自動車(PHV車を含む)を活用した自家消費の拡大措置のための充電設備または充放電設備

上記条件を満たした上で、SIIに登録されているZEHビルダー・プランナーが設計・建築・改修または販売に関与する住宅であることが必要です。

ZEH+の選択要件

ここからは、「ZEH+の選択要件」について、詳しく説明します。

【1.外皮性能のさらなる強化の場合】
ZEH+の要件として、さらなる高断熱外皮を選んだ場合、地域区分ごとに強化外皮基準を下記の数値以下にすることが必要です。

▶1・2地域:0.3
▶3~5地域:0.4
▶6・7地域:0.5

地域区分はお住まいの地域によって異なるので、ZEHビルダー・プランナーへ相談する際に確認してください。

【2.高度エネルギーマネジメント(高度HEMS)の場合】
基準を満たしたHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)を導入することで、太陽光発電設備や住宅内の冷暖房設備・給湯設備等を管理・コントロールできる状態にすることを指します。

システムには、HEMS・冷暖房設備・給湯設備・蓄電システム・燃料電池システムがあり、それらのいずれも「ECHONET Lite AIF仕様」に適合して、その認証を取得しているものを設置することが必要です。

【3.電気自動車(PHV車を含む)を活用した自家消費の拡大措置のための充電設備または充放電設備の場合】
簡単にいうと「EV等との連携」で、電気自動車を活用した再生可能エネルギーを自家消費するための拡大措置のことを指します。つまりは、「自宅敷地内に電気自動車を充電できる設備を設置してください」ということですね。ただし、電気自動車(PHV車)本体の購入までは必要ありません。

上記3つのうち、2つの要素を満たすことが求められます。

次世代ZEH+に係る要件

「次世代ZEH+」では、前述の「ZEH+に係る要件」を満たしていることに加え、以下に掲げるいずれか1つ以上の導入が求められます。

(1)蓄電システム(定置型)
(2)V2H充電設備(充放電設備)
(3)燃料電池
(4)太陽熱利用温水システム
(5)太陽光発電システム(10kW以上)

補助の対象範囲は?

次世代ZEH+実証事業において、補助対象となる住宅の要件は下記2つの条件を満たした住宅となります。

(1) 所有者自身が居住する、次世代ZEH+の基準を満たした戸建専用住宅。
(2) SIIに登録されたZEHビルダー・プランナー(※)が、設計・建築・改修または販売を行っている住宅。

※ここでいう、ZEHビルダーおよびZEHプランナーとは、下記のとおりです。
▶ZEHビルダー:建設会社など
▶ZEHプランナー:主に建築設計会社など

その他、ハウスメーカー・工務店・建築設計事務所・建売住宅販売会社など、SIIの審査を受けて合格した会社が登録しています。

補助金額および上限額

次世代ZEH+実証事業で補助金を申請し、要件を満たして支給対象となった際に支給される補助金は下記のとおりです。

【次世代ZEH+実証事業で定額支給される補助金額】
支給される補助金額:100万円(Nearly ZEH+についても同額)
※地域区分・建物規模に関係なく全国一律

【次世代ZEH+実証事業で導入した設備に関する追加補助金】
次世代ZEH+実証事業で、導入が求められる設備は「太陽光発電システム(10kW以上)」を含めて5つあります。そのうち、補助対象となるのは「太陽光発電システム(10kW以上)」を除く4つの設備です。
追加額は、下記のとおりとなります。

(1)蓄電システム(定置型)
下記3つのうち、いずれか低い額が加算されます。※上限は20万円
・初期実効容量1kWhあたり2万円
・蓄電システムの補助対象経費のうち3分の1(工事費を除く)
・20万円

(2)V2H充電設備(充放電設備)
加算額は、下記3つのうちいずれか低い額です。※上限は75万円
・見積明細により算出した補助対象経費(設備費+工事費)の1/2
・センター承認本体価格+見積明細から算出した工事費の1/2
・75万円

(3)燃料電池
・1台あたり2万円(種類不問)

(4)太陽熱利用温水システム
・液体式:17万円
・空気式:60万円
※工事費は補助対象外です。

次世代ZEH+(注文住宅)実証事業の事業スケジュール

基本的な事業スケジュールの流れは、下記のとおりです。

(1) ZEHビルダー・プランナーに相談
(2) 交付申請書・添付書類の作成および提出
(3) SIIが申請を受理・審査、交付決定
(4) 事業着手後に中間報告
(5) 実績報告後、補助金額が確定して振込

ひとつずつ確認しましょう。

ZEHビルダー・プランナーに相談

公募期間が決まっており、公募受付は先着順です。一次・二次の合計で予算に達したら、その直前の日次集計分までが受付対象で、それ以後の申請は対象外となります。
申請を希望する場合は、早目に相談してください。

なお、申請件数についてはSIIのHPにて公開されるので、申請の際の参考にしてください。
次世代ZEH+(注文住宅)実証事業 公募情報

交付申請書・添付書類の作成および提出

「次世代ZEH+(注文住宅)実証事業」における、令和4年度の事業規模は約19億円(採択件数:約1,600件)です。申請受付は先着順で行われます。公募期間中であっても予算に達すれば公募はすぐに打ち切られ、その後の申請は受理されません。

【次世代ZEH+(注文住宅)実証事業の公募日程】
一次公募:令和4年5月20日~令和4年8月12日 17時 (終了)
二次公募:令和4年8月29日~令和4年11月18日 17時 (予定)

※下記の場合は、申請は受理されませんのでご注意ください。
(1) 申請書類に不備・不足がある場合
(2) 提出期日に遅れた場合

【交付申請の方法】
申請は、「ZEHポータル」というサイトで行います。

建築主が自分自身で申請する場合は、ご自身がユーザー登録を行って申請します。メールアドレスを入力すると、IDと初回パスワードが送られるので、パスワードを変更後に必要な情報を入力後、必要書類を送ることで申請できます。

ただ、申請には専門的な書類が必要なので、専門家に申請を代行するのが一般的です。多くのZEHビルダー・プランナーは、申請代行業者も兼ねているので、次世代ZEH+(注文住宅)実証事業の申請を希望する際は、申請について相談することをおすすめします。

下記、交付申請の提出書類をまとめました。
書類のタイプ 内容
必須の書類 【配置図】
配置図には、建築基準法上の道路種別・幅員を記載する。
【本人確認書類】
運転免許証やマイナンバーカード(表面)などを添付する。
V2H充電設備(充放電設備)を申請する場合
【V2H充電設備カタログ】
表紙と該当設備のページ、そのページに付せんを貼って該当商品の型番に蛍光ペンなどでマーキングする。
【V2H充電設備見積明細】
本体価格・工事費・宛先・発行元・発行日の確認ができること。
太陽熱利用温水システムを申請する場合 【太陽熱利用温水システムカタログ】
表紙と該当設備のページ、そのページに付せんを貼って該当商品の型番に蛍光ペンなどでマーキングする。
【太陽光発電システム構成図】
イラスト・構成図でシステム全体がわかるようにすること。集熱パネル・貯湯タンクを記載すること。
リースの場合 【リース契約書(案)】
リース料金から補助金相当額が減額されていること。
【役員名簿】
氏名カナ・漢字、生年月日、会社名、役職名が記載されていること。
※役員名簿・太陽熱利用温水システム構成図は、公式ページにてダウンロードできます。

SIIが申請を受理・審査、交付決定

審査は、申請受付後にその都度行われます。審査の結果、基準を満たしている申請については交付決定通知が送られます。交付決定までの目安は、下記のとおりです。

交付決定までの目安:申請受理日より約3週間

ただし、申請が集中した場合、または申請内容に関する問い合わせへの回答に時間を要した場合など、3週間以上かかる場合もあります。最終決定日は、令和4年12月9日です。

事業実施・中間報告

「次世代ZEH+(注文住宅)実証事業」補助金の審査に通過して、交付決定事業者になるとZEHポータルにて交付決定番号が書かれた「着手前写真用ボード」のデータがダウンロードできます。
それを手で持って着手前写真を2枚撮影してから、工事に着手してください。

基礎工事のみは撮影前の着工が認められていますが、それ以外の工事を事前着手した場合は補助の対象外です。着手前写真は、中間報告書提出の際に提出します。その他に必要な実施計画書・確認済証の写しなどとともにZEHポータルからアップロードしてください。

中間報告書の提出期限は、令和5年1月13日まで(予定)です。提出期日に遅れないようにしましょう。また、その際に現地調査を行う場合もあるので、その際は協力してください。

事業完了後に実績報告書提出・補助金振込

「次世代ZEH+(注文住宅)実証事業」補助金における事業完了日とは、補助金対象となる工事が完了して、工事代金の支払が完了した日付のことです。たとえば、令和5年1月15日に工事が完了して、かつ代金の支払が完了した場合は、令和5年1月15日が事業完了日となります。その後は、「ZEHポータル」より実績報告書を提出します。提出期日は、下記のとおりです。

提出期限:事業完了日から15日以内、かつ令和5年2月3日17時の期日内

確定検査(審査)を行い補助金が確定した後、事業者が「精算払請求書」を提出すると、令和5年3月下旬までに支払が行われます。

申請者の義務

「次世代ZEH+(注文住宅)実証事業」における事業目的のひとつは、省エネルギー効果などの情報取得・分析です。そのため、補助事業終了後の定期報告アンケートについて、終了後2年間半期ごとにエネルギー使用量などについて、アンケートでの報告をお願いしています。報告がなかった場合、交付決定の取り消しまたは返還を求められる場合もあるので、注意してください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

この記事では、「次世代ZEH+」補助金について、その概要と申請方法について解説しました。ZEH・ZEH+自体が環境にやさしい構造ですが、次世代ZEH+ではさらに再生可能エネルギーの自家消費を強化する取り組みを交付要件に入れています。

その分、厳しい要件が求められますが、今後も環境保全は大きなテーマになるので、新築住宅を考えている人は補助金の利用を検討してみてください。

参考:次世代ZEH+(注文住宅)実証事業 公募情報

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